入れ歯が痛いことで悩んでいる患者様は多く、中には、痛いと感じながらも我慢して使い続けてしまっている方もいるようです。
今回は、入れ歯が痛いと感じてしまう原因と、その対策についてご紹介します。
入れ歯は口腔内に取り付けてしまうものではなく、着脱が可能なものです。取り外しができる分、身体が入れ歯を「異物」として認識してしまいやすく、慣れるまで違和感を感じてしまうことは避けられません。違和感を痛みとして感じることもあり「入れ歯があたって痛い」「噛んだときに痛い」などと感じる場合があります。
痛みの度合いにもよりますが、入れ歯を入れて生活する感覚に慣れるまで、数週間〜1ヶ月ほど、痛みに変化があるか様子を見てもいいかもしれません。もしそれ以上痛みが続くようであれば、処方された入れ歯が合っていない可能性があります。歯医者さんに相談しましょう。
入れ歯を使い始めてから時間が経っても痛みを感じる場合には、入れ歯が合っていない可能性があります。上手くフィットしていないせいで、動いて摩擦が生じてしまったり、局所的に圧力がかかってしまったりして、痛くなってしまいます。
そういったときには、歯医者さんに相談し、
▼入れ歯の調整や作り直しすること
▼入れ歯安定剤を使用して入れ歯が動いてしまうのを防ぐこと
▼保険入れ歯を使用している場合は、よりフィット感がよくなりやすい、自費の入れ歯を選択すること
などを検討してみるといいかもしれません。
また、歯茎や顎は、時間の経過によって変化していくことがあります。口腔内の状態が変われば、もともと使っていた入れ歯のフィット感が悪くなるのも仕方がありません。しばらく同じ入れ歯を使っていてだんだん合わなくなってきたと感じるのであれば、入れ歯の調整や作り直しが必要なタイミングかもしれないので、歯医者さんへ相談してみることをおすすめします。
口腔内の状態は、人によって様々です。その特徴によっては、入れ歯による痛みを感じやすい場合があります。たとえば、歯茎が薄かったり、唾液量が少ない、顎の骨にこぶ(骨隆起)がある、などの特徴があると、痛みが出やすくなってしまいます。
こういう患者様は他の方よりも「快適に使用できる入れ歯」に出会うことが難しい傾向にあり、入れ歯の調整や作り直しをしても問題を改善させられない場合もあります。もし保険の入れ歯を使っているのであれば、より自由の効く自費の入れ歯の中から自分に合った素材や形状のものを探してみると満足のいくものが手に入るかもしれません。また、入れ歯以外の治療の選択肢を検討することもいいかもしれません。
入れ歯は常に清潔に保つことが大切で、一日に一度の洗浄は必須です。適切なお手入れができていないと、入れ歯が原因で口内炎ができたり、歯周病や虫歯を引き起こしたり、入れ歯が劣化したりと、トラブルが起きやすくなってしまいます。
洗浄を怠らないようにし、入れ歯を清潔に保つことを心がけましょう。
5.部分入れ歯の金属クラスプ(留め金)に問題がある
保険の部分入れ歯の場合、入れ歯を固定するために金属クラスプが使用されます。その締めつけが強すぎたり、クラスプをかける歯自体が弱っていたりすると、痛みを感じてしまうことがあります。
その場合は、歯医者さんで入れ歯を調整してもらったり、金属クラスプを使用しないノンクラスプデンチャーを検討するのもいいかもしれません。
入れ歯の痛みには様々な原因がありますが、使い始めから数週間〜一ヶ月ほど経っているにもかかわらず痛みが続いている場合には、放置せずに歯医者さんに相談しましょう。入れ歯は毎日使うものです。問題を抱えながら使い続けるのは得策ではありません。問題に合った改善策を見つけ、痛みや不快感を和らげられるといいですね。