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2024年11月01日入れ歯はなぜ痛いのか?

入れ歯が痛いことで悩んでいる患者様は多く、中には、痛いと感じながらも我慢して入れ歯を使い続けてしまっている方もいるようです。

今回は、入れ歯が痛いと感じてしまう原因と、その対策についてご紹介します。

 

1.入れ歯に慣れていない

入れ歯は被せ物やブリッジなどのように歯に接着剤で固定するわけではなく、着脱をして使用するタイプの装置となります。歯の欠損に対して幅広く対応することができますがレジンと呼ばれる樹脂や留め具等に金属などを使用する性質上、装置が大きくなりがちで、異物感を感じやすいという欠点があります。また装置の特性や噛み合わせの調和の関係上、歯肉や粘膜にも負担がかかりやすい装置です。そのため「入れ歯があたって痛い」「噛んだときに痛い」などの感覚は義歯を新製した場合慣れていない時に生じやすいです。
痛みの度合いにもよりますが、基本的には調整や入れ歯を入れて生活する感覚に慣れることで改善していくことが多いですが、もし痛みが続くようであれば、調整以外の介入が必要になる可能性があります。歯医者さんに相談しましょう。

2.入れ歯が合っていない

入れ歯を使い始めてから長期間経っても痛みを感じる場合、入れ歯が合っていないことが原因となっている可能性があります。入れ歯は安定せず、動いて摩擦が生じてしまったり、局所的に圧力がかかってしまったりすると、痛くなってしまいます。入れ歯安定剤を使用して入れ歯が動いてしまうのを防ぐことで一時的に改善することはありますが、長期間にわたると問題が悪化してしまうこともあるため、このような場合、歯医者さんに相談し、

▼入れ歯の調整や作り直しすること

▼入れ歯安定剤を使用して入れ歯が動いてしまうのを防ぐこと

▼保険入れ歯を使用している場合は、より装着感の改善を期待できる、自費の入れ歯を選択すること

などを検討してみるといいかもしれません。

また、歯茎や顎は、時間の経過によって変化していくことがあります。口腔内の状態が変われば、もともと使っていた入れ歯の装着感が悪くなるのも仕方がありません。しばらく同じ入れ歯を使っていてだんだん合わなくなってきたと感じるのであれば、入れ歯の調整や作り直しが必要なタイミングかもしれないので、歯医者さんへ相談してみることをおすすめします。

 

3.患者様の口腔内が痛みを感じやすい状態にある

口腔内の状態は、人によって様々です。その特徴によっては、入れ歯による痛みを感じやすい場合があります。たとえば、歯茎が薄かったり、唾液量が少ない、顎の骨にこぶ(骨隆起)がある、噛み合わせに問題があるなどの特徴があると、痛みが出やすくなってしまいます。

このような患者様は他の方よりも「快適に使用できる入れ歯」に出会うことが難しい傾向にあり、入れ歯の調整や作り直しをしても問題を改善させられない場合もあります。もし保険の入れ歯を使っているのであれば、より選択肢の多い自費の入れ歯の中から自分に合った素材や形状のものを歯科医と検討してみると満足のいくものが手に入るかもしれません。また、入れ歯以外の治療の選択肢を検討することもいいかもしれません。

 

4.入れ歯のお手入れが適切にできていない

入れ歯は常に清潔に保つことが大切で、一日に一度の洗浄は必須です。適切なお手入れができていないと、入れ歯が原因で口内炎ができたり、歯周病やむし歯を引き起こしたり、入れ歯が劣化したりと、トラブルが起きやすくなってしまいます。

洗浄を怠らないようにし、入れ歯を清潔に保つことを心がけましょう。

 

5.部分入れ歯の金属クラスプ(留め金)や留め金のかかる歯に問題がある

一般的に、入れ歯を固定するために金属クラスプが使用されます。その締めつけが強すぎたり、クラスプをかける歯自体が弱っていたりすると、痛みを感じてしまうことがあります。

その場合は、歯医者さんで入れ歯を調整してもらったり、金属ではなく特殊な樹脂をクラスプにしたノンクラスプデンチャーを検討するのもいいかもしれません。

 

まとめ

入れ歯の痛みには様々な原因がありますが、使い始めから少し時間が経っているにもかかわらず痛みが続いている場合には、放置せずに歯医者さんに相談しましょう。入れ歯は毎日使うものです。問題を抱えながら使い続けるのは状況を悪化する可能性があり得策ではありません。問題に合った改善策を見つけ、痛みや不快感を和らげられるといいですね。