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2021年01月26日入れ歯の正しい洗い方を実施して口腔環境を清潔に保つには?(序編)

入れ歯の種類

入れ歯の種類は大きく分けて2種類です。歯の全部を失った場合の「総入れ歯」と、一部分を失った場合の「部分入れ歯」です。総入れ歯も部分入れ歯も、どちらにも保険適用内、保険適用外で作れるものがあります。保険適用外のものであれば、様々な種類の中から目的に合わせた入れ歯を選ぶことができます。

保険適用内のものは「6ヶ月ルール」と言うものがあり、1度作ると医院を変えても、6ヶ月間は新しい入れ歯を作ることが出来ません。その代わりに1回の費用が安く抑えられます。保険適用外のものは、作る種類・技術によってかなり費用がかかるので、事前に歯科医師と納得がいくまで相談することが大切です。

総入れ歯

総入れ歯とは、自身の歯を全て失った場合に作られる入れ歯です。
歯が全て無くなると食べ物を噛むことが出来ません。その為、大きなままの食べ物を飲み込むと、胃や腸などの多くの消化器官を痛める原因となります。大きなままの食べ物は腸で栄養を十分に吸収することも出来ないのです。

また、柔らかい食べ物ばかりを選ぶと、顎や脳を使うことが減り老化しやすいと言われています。出来る限り多くの歯を維持し、総入れ歯にならないように気を付けていただきたいです。

 

◯総入れ歯を入れる際の注意点

歯肉の衰えや骨の状態により、入れ歯が安定しないことです。これは、部分入れ歯と違って、入れ歯を固定する為の留め金をかける歯がないためです。総入れ歯の場合には、口の中にある歯肉の凹凸や頬の肉を使って総入れ歯が口から出ないように作られています。しかし、中には歯肉の凹凸がほとんど無い方もいらっしゃいます。こういう方は、口の中に入れ歯を引っかける部分が無く、ふとした瞬間に、するっと口から飛び出てしまうのです。

歯肉の凹凸が無いと入れ歯が飛び出てしまうだけでなく、食事をしたときに入れ歯が動いてしまい、入れ歯と歯肉との間に物が挟まったりします。さらには、つけ心地も悪く不快になります。

総入れ歯は保険の適用範囲内で作ることも、適用外で作ることもできます。しかし保険適用内のものは、使える材料に制限があります。保険治療は必要最低限の機能回復を目的としています。審美性や耐久性よりも安価で最低限の機能回復を重視しているので、すぐに壊れたり、見た目が気になる場合があります。

保険適用外の治療の場合は使える材料に制限はなく、患者さんの一人一人の要望に合わせて入れ歯を作ることが可能です。そうすることで、壊れにくい材料を使用したり、患者さんの歯肉に合わせた自然な色調にしたり、臭いのつきにくい材料で入れ歯を作ることができるのです。

最も重要な点は、保険の治療は一度の来院時にできる治療の制限がありますが、保険適用外の診療では制限がないという点です。保険適用外の治療では患者さんの体調に沿った治療の進め方ができるので、少ない来院回数で治療を終えることができる可能性があります。

 

◯入れ歯の作り方について

保険適用内の入れ歯で一般的なものは、レジンというピンク色のプラスチックでできた「床」(しょう)と呼ばれる部分と、人工の「歯」の部分で形成されています。床と言われる部分が厚いため、装着した際には違和感があり、食事の際に冷たさや温かさが分かりにくくなってしまいます。プラスチックなので金属性のものより強度が弱く、水分を吸収しやすいため、汚れや臭いがつきやすくなっています。

実際に出来上がるまでの工程は、はじめに印象採得(口の中の型取り)を行います。次に咬合(こうごう)採得といわれる入れ歯の大きさや合わせ具合(歯並び)、上下前後の位置などを確認し、入れ歯の製作に入ります。入れ歯が出来たら試適(してき)を行います。試適とは噛み合わせや口元と顔のバランス、歯の色や形などを確認していきます。必要に応じて修正を行い、完成となります。

部分入れ歯

部分入れ歯は1本でも自身の歯が残っているときに作る入れ歯です。
一般的な部分入れ歯には必ず、固定する金属のバネ(クラスプ)があります。部分入れ歯は総入れ歯と違い、隣の歯にクラスプをかけて固定します。部分入れ歯も保険の適用範囲内で作ることができ、材料は総入れ歯と同様にレジンというピンク色のプラスチックで比較的安価で製作できます。治療期間も短く、製作期間も比較的短くできます。部分入れ歯は総入れ歯と違い、自身の歯が残っているので、入れ歯をクラスプで固定するので安定はします。

しかし、クラスプをかける歯の形が短かったり、寸胴(丸みの無い形)の場合、形を変える必要があります。その際に、歯の表面にレジンを盛り足すこともありますが、削らなければならないこともあります。そうすると、クラスプをかける歯が本物の歯(天然歯)の場合は、健康な歯を削らなければいけません。

健康な歯を削ることなく作れる入れ歯もあります。それは保険適応外の治療になります。保険適応外の治療の場合、入れ歯の材料や治療に制限がなく丈夫な素材のレジンを使って入れ歯を作ることが可能です。丈夫な素材で作られている入れ歯の場合、クラスプ部分をわざわざ金属にする必要がありません。

クラスプ部分に金属を使用していない入れ歯(ノンメタルクラスプデンチャー)であれば、ほとんどの場合、健康な歯を削ることなく、作ることが出来ます。また、ノンメタルクラスプデンチャー以外にも保険適用外には、アタッチメントデンチャーやコーヌスデンチャー(テレスコープシステム)といった種類の入れ歯があります。

実際に出来上がるまでの工程は、総入れ歯と変わりは無く、印象採得・咬合採得・試適・修正を経て完成となります。保険の適用内外問わず、どのタイプにもメリット・デメリットがあるので、自身の体調や病状なども考慮し、歯科医師と納得がいくまで相談をした上で決めることが大切です。

 

種類別の特徴

入れ歯の素材別で特徴をご紹介します。「床」がレジンなどのプラスチックで出来ているものは、厚みがあるため、装着時には多少の違和感があり、話しにくいと感じる人もいます。厚みのために、熱い冷たいなどの温度が感じにくい点もあります。

◯金属床タイプ
プラスチックやシリコンなどのゴム製のものに比べ、「床」の部分が薄くでき、強度も高く、装着時の違和感も少なくなります。舌を動かすスペースが確保され自然に話すことが出来ます。薄い金属なので温度を感じることができ、食べ物を美味しくいただけます。しかし金属なので金属アレルギーを持っている方には注意が必要です。

◯アタッチメントデンチャータイプ
入れ歯を取付けるクラスプ(金具)がないので、見た目に入れ歯であることがわかりにくく、他の歯への負担も少ないため、装着時の違和感や食事に関しての不快感が少ないです。アタッチメントタイプは歯根が無いと取り付けが出来ないため、磁気を併用するマグネットデンチャーや、ミリングデンチャーのような差し歯に固定するタイプもあります。また歯根が無いと固定が出来ないので、インプラントを併用する場合や、金属のバーを取り付けるなどの方法もあります。磁気を使用しているものはペースメーカーを入れている人には装着ができないことなどもあるので、歯科医師と相談し確認することが必要です。

◯コーヌスデンチャー(テレスコープ)
クラスプを使わない方法です。入れ歯をはめ込むタイプで残っている歯に内冠という土台を付け、入れ歯側には内冠にはめる外冠を作ります。茶筒の原理で精密に作られており、歯科技工士の技術が必要なため高額で、製作に時間がかかります。しっかりとはめ込まれるので、外れたりずれることはなく安定して食べ物を噛むことが出来ます。しかし、コーヌスデンチャーは1カ所でも合わなくなるとその都度新しく作り替えが必要となる為、結果的に大きな金額の負担が必要になることや、入れ歯の修理や再製が必要になったときに、入れ歯の無い期間が発生してしまう事をあらかじめ理解しておく必要があります。また、金属製のものを埋め込むと病気を患った場合、レントゲンなどの検査が受けられないこともあるので注意が必要です。

ノンメタルクラスプデンチャー
金属のバネを使用していない入れ歯です。金属のバネの代わりに歯肉と同じピンク色のレジンで留め金部分を作っているので、審美性に優れています。入れ歯であることが気づかれたくない方に人気です。また、金属アレルギーがある人にも向いている入れ歯です。その他にも、保険の入れ歯のような、クラスプ部分に食べ物が詰まり易いといった心配がなく、衛生面でも優れていると言われています。材料によって丈夫なもの、吸水性が少なく臭いがつきにくいもの、修理がしやすいもの、柔らかいシリコンがつけられているもの等があります。入れ歯の材料は、歯科医師が患者さんの体質や生活習慣、治療の内容に合わせて選択をする必要があリます。ノンメタルクラスプデンチャーは患者さんの要望や体質に応じて様々な対応が可能です。

入れ歯の正しい洗い方を知る必要性

総入れ歯でも部分入れ歯でも、入れ歯は毎日きちんと洗わなければなりません。そのまま放置してしまうと、虫歯菌や歯周病などの細菌が繁殖し、入れ歯に臭いがつきます。また歯茎が炎症を起こしたり、残された歯が虫歯になってしまいます。入れ歯についた細菌は口臭の原因にもなるのです。自身の口臭が気になると、人との会話も気になってしまうかもしれません。

毎日美味しく食事をするため、友だちと楽しい時間を過ごすため、快適な日々を送るためには入れ歯を洗うことは大切なことなのです。正しい洗い方を知ることは、入れ歯を長く使用するためにも重要なことです。

 

>入れ歯の正しい洗い方を実施して口腔環境を清潔に保つには?(その1)

>入れ歯の正しい洗い方を実施して口腔環境を清潔に保つには?(その2)