+SMILEをご覧になられている皆さん、始めまして古井です。
皆さんは歯科技工士という職業をご存じですか?
私は1999年に歯科技工士を養成する学校を卒業し、歯科技工士国家試験に合格、それから現在に至るまで歯科技工という仕事に携わってまいりました。
我々歯科技工士は、歯科医師の指示書にしたがって、入れ歯やセラミック、金属の被せ物、インプラントの上部構造、矯正装置などの製作、修理を行っています。
患者の方に直接お会いする機会は少ないので、技工士という仕事をご存じでない方も多いのではないでしょうか。
歯科技工士とは、昭和30年に制定された歯科技工法(現:歯科技工士法)で定められた免許を持っている者を指し、それより前の明治頃には歯科医師が入れ歯や詰め物などを製作していました。
その後、歯科技工分野の専門職の必要性が高まり、大正14年に歯科医師の鹿毛俊吾氏が私財を投じて歯科技工を担う人材の養成学校を創設しました。現在は養成学校が全国に47校、うち4年制の大学は3校、夜間過程があるところは4校あります。
他国の事情ですと、アメリカでは免許自体はあるのですが、日本と違い歯科技工業務を行う上で免許の取得は必須ではなく、中国も同様です。ただし、中国の歯科技工士免許にはランクが設定されており、ハイレベルのランクの免許の取得・維持は難しいものとなっているそうです。
社会全体の高齢化に伴い入れ歯などの需要は増えてきているのですが、少子化に伴い歯科技工士の担い手が少ないという、他業界同様の課題に直面しています。私が歯科技工士になった頃は、即戦力の中途採用の求人ばかりで新卒求人倍率が高く、就職活動に苦労したのを覚えています。
インターネットが普及していなかったので知り得る求人情報が少なかったこともありますが、5人の募集に対し応募人数が30から40人いました。今となっては考えられない状況ですね。
最近の歯科技工の現場では、CAD/CAMや3Dプリンターの登場で製作現場が変わってきました。とはいえ、技術の土台にあるのは今まで先人たちが積み上げてきた歯科技工の知識、技術です。歯科のデジタル化に伴い若い技工士や女性技工士の割合も増えてきているので、技術の伝承というのもの重要性を感じています。
皆様に今後もより良い歯科技工物を提供できるよう、三和デンタルでは後進の育成にも力を入れております。
(文:古井)