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2021年11月19日【健口サプリ #6】歯磨きの道具は何がいい?

皆さん、こんにちは。
歯科衛生士/表情筋トレーナーの内田佳代です。
前回は、「歯周病の治療の流れと進行させない3つのポイント」ということで、歯周病についてお知らせしました。今回は、私がお勧めする「ブラッシングの道具」を紹介いたします。
※本ページでは、フッ化物、フッ素化合物を「フッ素」と表現しています。また、歯磨き用のジェルやペーストなど歯磨剤を「歯磨き粉」と表記しています。

ブラッシングは何のためにやるのか?

歯磨きの際に使う道具の紹介の前に、まず歯磨きすることの目的を確認しましょう。
2回目の健口サプリで、むし歯を予防するには「フッ素」を日常的に取り入れる必要があるとお伝えしました。また5回目の健口サプリでは、歯周病を予防するには、プラークコントロールが重要、つまり「汚れ(プラーク)を除去すること」が重要だとお伝えしました。

● フッ素を届けるために、ブラッシングを行う
● 歯肉の炎症を抑え、汚れを取るためにブラッシングを行う

同じ歯磨きでも目的が違いますね。ただ、どちらかのためにやるわけではなく、むし歯も歯周病も二大疾患で、誰でも罹る可能性があるので、2つの目的を達成する必要があるかと思います。

そこで、ブラッシング時に気をつてほしいのは、以下の2点です。

1.歯は磨くことよりも、磨けているかどうかが重要
2.汚れが取れていて、かつ歯肉や歯にダメージを与えないことも重要

「磨く」ことと「磨けている」ことは違います。

単に歯ブラシを当てればいいのではなく、プラークを除去できていない磨き方では、ほぼ無意味です。機械的に食後に何も考えずにブラッシングを行っていませんか?

プラークをしっかり除去できているかどうかは、担当の歯科衛生士に磨き方をチェックしてもらうと良いでしょう。歯ブラシの当て方や、動かす幅、歯ブラシの持ち方など…プロのアドバイスを実践することで、ブラッシングの効果が上がりますよ。

また、2.の「ダメージを与えない」というのは、皆さん気づいていない方が多く、ゴシゴシ強い力でブラッシングをして、知らず知らずのうちにエナメル質を傷つけ削っていたり、歯肉が下がる原因をブラシの力で生み出していたりします。

強い力は、汚れと一緒に歯ぐきや歯の組織を奪うことも… 新しい歯ブラシが1ヶ月も経たずに毛が広がってしまう方は、ブラッシングの力が強い可能性があります。

内田お勧めのブラッシンググッズ

ここから私がお勧めするブラッシンググッズを一部紹介したいと思います。お勧めしたい商品は山ほどあるのですが…

●ブラッシング圧が強い人へお勧め歯ブラシ
どうしてもゴシゴシ力をかけてしまう人にお勧めなのが、クラプロックスの歯ブラシ。普通の歯ブラシの多くは、毛がナイロンでできていますが、こちらの歯ブラシはクーロン繊維というナイロンより柔らかく細い繊維でできているうえに、ブラシの毛量が一般的な歯ブラシに比べ約10倍も多く高密度です。力をゴシゴシ入れなくても効率よく汚れが取れ、毛が柔らかいためにエナメル質も傷つけにくいのが特徴です。

ブラシと柄の色もたくさんあって、キャップ付きなので、ポーチの中に入れておくにも最適です。私のポーチにも常に入っている1本です。

● 細かい部分・隅々まで磨きたい方へのお勧め歯ブラシ
「ワンタフトブラシ」奥歯の奥まで磨ける歯ブラシです。普通の歯ブラシで磨いた後、仕上げに細かい部分を磨くのに小回りが利くので最適です。

△写真は、オーラルケアのプラウト△

● 歯のツルツルを保ちたい方へのお勧め歯ブラシ
歯のツルツルが感じられるのは、断然電動歯ブラシです。電動歯ブラシといってもたくさん種類がありますが、音波歯ブラシがお勧めです。音波歯ブラシでは、Panasonicのドルツやフィリップスのソニケアーが有名です。どの商品もそれぞれ特徴があるので、ここでは細かくお知らせしませんが、私が患者さんにお勧めすることが多いのは、替えブラシがスーパーやコンビニでも簡単に手に入るドルツです。

ちなみに我が家で使用しているのは、クラプロックスの音波歯ブラシです。(クラプロックスの白の音波歯ブラシは歯科医院専売です)

● 歯周病予防には歯間ブラシ
歯周病予防には、プラークコントロールが重要ですが、歯ブラシだけで全てのプラークを除去するのは困難です。そこで、お勧めするのが歯間ブラシです。

ただし、適切なサイズを使用することが重要で、かつ使い方によっては歯肉を痛める可能性があるため、使用方法やサイズを担当の歯科衛生士に確認しましょう。

● フッ素入り(1450ppm)の歯磨き粉
大人のむし歯予防の3つのポイントでもお伝えしたように、フッ素が1,500ppm近く入っている歯磨き粉をチョイスすることが大切です。フッ素の濃度が高いものは、写真のようにどれだけ入っているか記載してありますので、この表示があるものを選びましょう。

フッ素入りの歯磨き粉を使う際に、気を付けないとならないのが、ブラッシング後のうがいです。ブラッシング後に、ぶくぶくうがいを何度も行ってしまうと、せっかくのフッ素が全て流れ出てしまいます。歯磨き後のうがいは、約15㎖(大さじ1杯ほど)を5秒ほど軽くぶくぶくして1回行うことが推奨されています。また、歯ぐきが下がっている方へのお勧め歯磨き粉が、「チェックアップルートケア」です。ちなみに私も使用中です。

かかりつけの歯科医院に相談することが大事

YouTubeやネットの記事には、歯ブラシや歯磨き粉など、色々お勧めの商品や使い方が載っています。どれを使えばいいのか迷ってしまいますよね?しかし、口の中の状態は、人によってさまざまです。歯並びや歯や詰め物や歯ぐきの状態、生活習慣やリスクなどもさまざまです。

私もそうですが、今このコラムを読んでいるあなたの口の中の状態は分かりません。あなたの口の状態を知っているのは、コラムを書いている私でも、YouTuberでもなく「かかりつけの歯科医院(担当の歯科衛生士)」です。今回お勧めしたグッズは、私の主観でのお勧めグッズです。あなたの口の中に適しているかは分かりません。ぜひ、あなたの口の中の状態に合わせたケアグッズとその使い方について、教えてもらいましょう。

 

次回の健口サプリは「白く輝く歯を手に入れるには? 」です。歯を白くする方法についてお知らせします。

 


内田佳代(うちだ かよ) 歯科衛生士・表情筋トレーナー東京医科歯科大学歯学部附属歯科衛生士学校卒
早稲田大学大学院創造理工学研究科修了 経営工学修士
「噛むこと」を意識させる、歯科衛生士ならではの表情筋エクササイズ、口元からの美を提案し、全国各地で講演・セミナー開催。ミスユニバース地方大会セミナー担当。NHK「きれいの魔法」など美容番組・雑誌等へ多数出演。ぶんか社「ガム小顔ダイエット」監修。表情筋エクササイズDVD「笑顔づくり編」「スッキリ小顔編」も好評。