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2022年05月20日【健口サプリ#12】口もとの健康と全身の健康

皆さん、こんにちは。
歯科衛生士/表情筋トレーナーの内田佳代です。

前回は、「健康寿命を伸ばすオーラルフレイル(口の衰え)対策」ということで、オーラルフレイルの予防のエクササイズをお知らせしました。さて、健口サプリも今回で最終回です!最終回は「口もとの健康と全身の健康」についてお知らせします。※本ページでは、フッ化物、フッ素化合物を「フッ素」と表現しています。また、歯磨き用のジェルやペーストなど歯磨剤を「歯磨き粉」と表記しています。

12回にわたり口もとの健康や歯についてお知らせしてきましたが、口もとだけではなく全身の健康を考えることが大切です。そう、何ごともバランスが大事です。口という1部分にこだわって頑張るのではなく、全体をバランスよく見て実践しましょう。顔痩せしたい!!という方が、運動やストレッチなど全くせず、カロリーオーバーの食事をして顔のトレーニングを頑張っても意味がありません。

また、歯磨きや口もとのトレーニングについてもいくつかお知らせしましたが、一番大事なのは「継続すること」です。どんなに体に良いことでも、続かなかったら意味がありません。毎日少しでもいいので、ご自身で無理なく続けられる範囲で継続していきましょう。

歯の健康を保つには

歯の健康を保つには、セルフケアと定期的なメインテナンスが重要。この2つは両輪で、どちらが欠けても口の中の健康を保つことは難しいです。

むし歯のリスクがある方は、フッ素入りの歯磨き粉を使用しましょう。歯周病リスクがある方は、歯間ブラシやフロスなどの補助清掃用具を使いましょう。

どちらにせよ、自分がどんなリスクがあるのか。どの道具が適しているのか、正しく使えているのかの確認をしてもらうことが重要です。それぞれの病気を予防する3つのポイントをおさらいしましょう。

むし歯予防の3つのポイント
◯ 毎日の歯磨きに加え、フッ素をうまく利用しよう
◯ 食事の頻度や甘いものを食べる回数など生活習慣を見直そう
◯ 定期的に歯科検診を受け、プロによるチェックとクリーニングを行おう

歯周病を進行させない3つのポイント
◯ セルフケアを徹底しよう
◯ 定期的にメインテナンスを受けよう
◯ 生活習慣を見直そう

顔の老化を止めるには? 綺麗に年を重ねるには?

顔の筋肉の老化を防ぐには、ずばり「しっかり噛むこと」です。

なんだ!そんなことか!!と思う方もいるかもしれませんが、意外にしっかり噛むことができている人は少なく、早食いの方やあまり噛まずに飲み込む癖がある方が多くいます。

普段の食事でしっかり噛むこと意識するだけで筋肉が変わってきます。

また、人と話す際に口もとを動かして話す・歌うなど、生活の中で筋肉をしっかり動かすことが大切です。その上で、必要であればコラムでお知らせしたエクササイズを行ってみてください。

人生100年時代、介護予防を意識する年齢になってから慌てて準備するのではなく、何もトラブルがない今から意識していくことをお勧めします。(参考:健康寿命を伸ばすオーラルフレイル(口の衰え)対策


大人の矯正もオススメ

歯並びにコンプレックスを持っている方は、一度矯正歯科に相談するのもいいでしょう。成長期に歯の矯正を行いますが、今では大人の矯正を行う方も増えており、30代や40代で矯正を始める人も少なくありません。私の患者さんでは50代で始めた方もいます。

歯の並びで口もとの印象も大きく変わりますので、気になってはいるけど、今さら…と思っている方、マスクを常時しているこの時期に始めるのも手です。

ただし、矯正歯科選びは慎重に!

かかりつけの歯科医院から提携先の矯正歯科を紹介してもらうのが良いかと思います。最近では、「歯並びを治したいけど、器具を付けるのはちょっと…マウスピースなら簡単そう!」という声も多く聞かれます。

全ての症例でマウスピース矯正が可能というわけではないので、しっかりカウンセリングや検査を受け、しっかり治療計画を立ててもらった上で矯正を始めてください。

ネットでは、安価で短期間で治療が終わるマウスピース矯正の広告などを良く目にします。残念ながら、安価なマウスピース矯正を選んだ結果「2年経っても歯が並ばない」「歯を動かしたことで噛めなくなった」というトラブルがここ最近増えています。

おいしい言葉に惑わされない ネットよりかかりつけ医に相談

健康や美容に関する情報は、ネットにたくさん溢れています。中には怪しげなものや法律(医師法や薬機法)に違反するような内容も見かけます。

たくさん情報が溢れる中で、正しい情報をチョイスすることは難しいかもしれませんが、おいしい言葉につられ、むやみに手を出すのではなく、根拠に基づいたものを実践するようにしていただきたいです。

顔もやみくもに顔を動かすことや間違ったマッサージ方法、過度にエクササイズを行うことでかえって顔のシワを作ることにつながります。

特に口の中や歯の問題は、ネットで相談するのではなく、かかりつけの歯科医院に相談するようにしてください。全身の健康に口の中の健康は、深く関わっていますので、取り返しのつかないことにならないよう、信頼できるプロの意見を聞きましょう。

3ヶ月に1度の間隔で、ほぼ一生付き合っていくことになるのがかかりつけの歯科医院です。

もしかかりつけの歯科医院がなく、痛くなった時だけ予約が取れそうな歯医者に行くという方、長く付き合える歯科医院をぜひ見つけてみてください。継続して通いやすいというのが条件の一つかもしれませんが、長い付き合いになるため、ご自身に合う信頼できる医院を見つけることをお勧めします。

歯のことや顔の筋肉のこと、口もとにまつわる色々なトピックでコラムをお届けしました。ぜひ正しい情報をもとにご自身の健康を守っていってください。12回に渡り読んでいただきありがとうございました。

 


内田佳代(うちだ かよ) 歯科衛生士・表情筋トレーナー
東京医科歯科大学歯学部附属歯科衛生士学校卒
早稲田大学大学院創造理工学研究科修了 経営工学修士
「噛むこと」を意識させる、歯科衛生士ならではの表情筋エクササイズ、口元からの美を提案し、全国各地で講演・セミナー開催。ミスユニバース地方大会セミナー担当。NHK「きれいの魔法」など美容番組・雑誌等へ多数出演。ぶんか社「ガム小顔ダイエット」監修。表情筋エクササイズDVD「笑顔づくり編」「スッキリ小顔編」も好評。

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