皆さん、こんにちは。歯科衛生士/抗加齢指導士の内田佳代です。
前回の噛む噛むアンチエイジング#8では、老化を早める癖についてお知らせしました。
今回は「口もとのゆるみは老いの元」ということで、口のゆるみ度チェックをしながら、アンチエイジングについて学んでいきましょう!
筋肉には柔軟性が必要で、無駄な力が入ることで老いを早めてしまうことをお伝えしましたが、柔軟性=ゆるみではありません。ゆるみはたるみにつながり、それが見た目の老化につながります。口もとのゆるみの一番の原因は、舌の筋肉の衰えです。
顔の筋肉=表情筋というイメージを持たれるかもしれませんが、実は「舌の筋肉」を鍛えることが見た目や機能面でも重要です。健口サプリでもご紹介しましたが、舌には正しい位置があり、正しい位置に舌をキープすることが重要です。みなさんも改めて確認してみましょう。
正しい舌の位置は、舌が上顎にピッタリとついている状態です。舌は上の前歯の少し後ろ(歯に触らない位置)に常にくっつけましょう。
舌打ちをする時のように舌を上顎に吸い付けて音を出してみてください。音を出す寸前で舌を止めると、舌が上顎に吸い付いているのがわかると思います。その状態が舌の正しい位置です。
舌を正しい位置に置き、鼻をつまんで口から息を吸ってみてください。
どうですか?呼吸ができますか??
舌が正しい位置にあれば、口からは呼吸ができないはずです。もし呼吸ができるという方は、舌が上顎に正しくついていない可能性があります。ただ舌先をチョンと上顎につけるのではなく、舌の前方を上顎にしっかりつける感じを確かめてください。
舌を正しい位置にキープできていれば自然と鼻でしか呼吸できなくなりますので、まずは舌を正しい位置で常にキープできるように意識しましょう。舌が正しい位置にない方は、舌の筋肉が衰えている可能性や舌の癖がある可能性があります。
あなたの口ゆるみ度をチェックしてみましょう。ご自身のいつもの口もとの状態を思い出してみてください。
□ 気がつくと口が開いている
□ 口を閉じると顎にウメボシのようなシワができる
□ 食べる時にクチャクチャ音が出る
□ 唇の辺縁がいつも乾いている
□ 朝起きた時に喉が痛い
□ 睡眠中に口を開けていたり、イビキをかいたりしている
□ 前歯の表面に茶渋がつきやすい
□ 鼻がつまる
□ 上を向いて寝るのが苦手
□ 舌が上顎に触れていない
さて、いくつ当てはまりましたか??
3つ以上当てはまる人は、口呼吸をしている可能性が高く注意が必要です。多く当てはまるほど、口を開けていることが多い、すなわち口ゆるみ度が高いということになります。
舌のエクササイズは、健口サプリ#9でも紹介していますので、実践してみてください。
舌の筋肉が弱ってきている方や、舌が正しい位置になかった方は、舌のエクササイズに加え、普段の生活でも舌の位置と鼻呼吸を意識することが大切です。思い出したら、正しい位置に舌があるか確認しましょう。これも、噛む噛むアンチエイジング#8でお知らせしたように、目につくところに付箋を貼り、自分で意識して直すことが癖を直す近道です。舌の位置は、早ければ1ヶ月ほどで改善します。
フェイスラインがはっきりしない、頬が落ちて首と顔との境目がなくなる…
顎の下がたるみ、二重顎になっている…
マッサージでどうにかならないだろうか?と思って、顔周りをコロコロと器具を使ってマッサージを行いたくなる気持ちも分かりますが、#3顔の老化のメカニズムを読み直し復習してください。
#5の老けない食べ方でも紹介したように、しっかり口周りを動かす食べ方をしていると、舌の筋肉も一緒に動くはずです。フェイスラインのたるみは、舌が衰えてきたサインだと思ってくださいね。
顔周りがスッキリしないな…小顔を目指したい!という方は、次回からお悩み別のエクササイズをお知らせしますので、それを実践してみてください。しかし、それより前にまず口周りの筋肉を日常でしっかり動かすということを意識することが大切。食事の時間のちょっとした意識の積み重ねこそが、フェイスラインをぼんやりさせないアンチエイジングの秘訣です。
次回の噛む噛むアンチエイジングは「ほうれい線撃退!ほほのたるみ」についてお知らせします。
‥‥‥‥‥【書籍のお知らせ】‥‥‥‥‥
2月に「顔の老化は咀嚼で止められる」という本が草思社から出ました!
このコラムでもアンチエイジングのためのコツをお知らせしていますが、より深く細かく紹介しています。「噛む」ことの大切さから、食事の仕方や顔のトレーニング方法をお知らせしている本です。
これから少しずつマスクを外していく機会が増えてくるかと思います、自信を持ってマスクを外したい方には必見の一冊となっていますので、ぜひご覧になってください!
内田佳代(うちだ かよ) 歯科衛生士・日本抗加齢医学会認定 抗加齢指導士
東京医科歯科大学歯学部附属歯科衛生士学校卒
早稲田大学大学院創造理工学研究科修了 経営工学修士
「噛むこと」を意識させる、