皆さん、こんにちは。歯科衛生士/抗加齢指導士の内田佳代です。

前回の噛む噛むアンチエイジング#7では「顔の老けを防ぐメニュー」ということで、噛みごたえのあるメニューやレシピをお知らせしました。今回は「老化を早める悪い癖」ということで、もしやっていたら早めに止めたい顔の癖についてお知らせいたします。

顔の筋肉もしなやかさが重要

体と同じく、顔の筋肉も柔軟性が重要です。筋肉が硬いと自然な表情をつくることができません。また、自分では口角を上げて笑っているつもりでも、筋肉が硬く動かしづらいと、ほとんど口角が上がっていないことも…

顔の筋肉が動かしにくい方や普段あまり喋らない方などは、エクササイズで筋肉を鍛える前に、まずは柔軟性を上げる必要があります。普段から顔や口元に力が入っている人の多くが、筋肉に無駄に力が入っていることを自覚していません。

筋肉に負荷がかかりすぎると顎関節症を引き起こす原因にもなります。また、筋肉が動かしにくいことで、柔らかい表情ができないことにつながります。噛む噛むアンチエイジング#4「マスク生活で老化は促されるのか？」でもお伝えしましたが、舌は軽く上顎につけている必要があります。舌は自然に軽く力が入っている状態です。

舌の癖や舌の位置については、次回のコラムで細かく説明しますが、健口サプリ#9でもお伝えしているのでご覧ください。

くいしばりチェックしてみよう

ご自身にくいしばりの癖があるかどうか、チェックをしてみましょう。

□ 朝起きたときに、顎に痛みを感じることがある
□ いつも上下の歯が当たっている
□ ふと気づくと噛みしめている
□ 頬に歯の痕がある
□ 舌に歯の痕がついている

１つでもあてはまる人は、口元に常に力が入った状態になっているTCHという癖の可能性があります。TCHとはTooth Contacting Habit（歯列接触癖）の略で、上下の歯を持続的に接触させる癖のことです。何もしていないときは、くちびるを閉じていても上下の歯は接触していません。

口は閉じ、歯を少し離した（１〜３ミリ）状態が正しい口の状態になります。上下の歯が接触している状態というのは、本来は１日に合計しても20分以下です。

くいしばりチェックに該当した人は、無意識に力を入れ筋肉や骨に負担をかけていることになります。筋肉のみならず、歯や顎の骨にも悪影響を及ぼすので、注意が必要です。普段から、正しい舌の位置に置きつつ、歯は少し離すということを意識してみてください。

過度の力は老化を促すだけではなく、歯の痛みにも影響する

上下の歯を接触させ続ける時間が長いことで、顎関節に力が長時間かかり、前述したように顎関節症の発症や悪化を招く可能性があります。さらに、噛みあわせの違和感や歯がしみることや痛みにつながったり、歯を支える骨に負担がかかり歯槽骨が吸収されることで、歯周病の悪化につながったりします。

顔の老化だけではなく、歯の健康にも影響してくるので、上のチェックリストに当てはまった方は、なるべく早く癖を直すようにしましょう。

力が入りやすい人は、頬周りの筋肉も硬くなり頬の筋肉を歯に押し付けている方が多いので、うがいを行う際に普段よりも動作を大袈裟にゆっくり、ブクブクうがいをすることをお勧めしています。口を上下にゆっくり大きく、わざとらしいほどにブクブクさせながら、うがいを１０回程度行いましょう。

普段の生活でもマスクの中で、空気で大袈裟にゆっくりプクプク頬を膨らませることも、顔の筋肉が伸びるので効果的です。健口サプリ#11でも「おおげさブクブクうがい」を紹介していますので、こちらも合わせて確認してみてください。

癖というのは、無自覚で行っていることなので、なかなか直すのは難しいですよね。生活の中で、なるべく何度も思い出して直していくしかありません。目につくところに「口もとの力を抜く」「歯を離す！」など付箋を貼り、付箋を見るたびに上下の歯を噛み締めていないか確かめるなど、何度も思い出して意識するように工夫してみてください。

次回の噛む噛むアンチエイジングは「口もとのゆるみは老いの元！」についてお知らせします。

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内田佳代（うちだ かよ） 歯科衛生士・日本抗加齢医学会認定 抗加齢指導士
東京医科歯科大学歯学部附属歯科衛生士学校卒
早稲田大学大学院創造理工学研究科修了　経営工学修士
「噛むこと」を意識させる、歯科衛生士ならではの表情筋エクササイズ、口元からの美を提案し、全国各地で講演・セミナー開催。ミスユニバース地方大会セミナー担当。NHK「きれいの魔法」など美容番組・雑誌等へ多数出演。ぶんか社「ガム小顔ダイエット」監修。表情筋エクササイズDVD「笑顔づくり編」「スッキリ小顔編」も好評。